湊総合法律事務所

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7.遺留分減殺請求権の法的性質

遺留分減殺請求権の法的性質につきましては、昭和41年の最高裁判例を押さえておきましょう。
同判例は、遺留分減殺請求権が行使されると、遺留分減殺請求権に服する範囲で遺留分侵害行為の効力は消滅し、目的物上の権利は、当然に遺留分権利者に復帰する(最判昭和41年7月14日)としております(形成権=物権説)。
遺留分減殺請求権の法的性質に関連して、遺留分減殺請求権の行使と第三者との関係について考えてみましょう。
 
まず、遺留分減殺請求前に、受贈者が贈与の目的物を第三者に贈与したり、第三者のために権利を設定した場合、どのように規律されるでしょうか。
被相続人が甲、相続人が子乙、丙であったとして、丙がA土地について生前贈与を受け、甲が死亡する前に第三者丁に売却していたとします。
その後、甲が死亡し、乙が丙に対して遺留分減殺の意思表示をしたという事案を考えてみます。
 
ここで、遺留分減殺請求の効果について、形成権=物権説で考えるとどうなるかというと、遺留分減殺請求によって遺留分を侵害する贈与の効力はその限度で消滅して、受贈者は無権利になる。
 
そうすると、丙は無権利者ですから、丙が目的物を第三者丁に譲渡したとしても、第三者丁は権利を取得することができない。
だとすると、理論上は、乙は物権を持つことになりますので、乙から丁に対して物権的返還請求権を行使することができることになってしまいます。
 
しかし、それでは丁の取引の安全を害することになってしまい不合理です。
そこで出てくるのが1040条です。
 
つまり、1040条は、今述べたような結論となってしまっては、丁の取引の安全を害してしまうので、原則として、乙は丁に対して、物権的返還請求権を行使できないことにして、受贈者である丙が遺留分権利者乙に対して価格弁償をすべきだとしたのです。
 
そして、譲受人丁が悪意の場合は取引の安全を害さないので、乙は譲受人丁に対して遺留分減殺請求をすることができるという規定としたわけです。
 
これが形成権=物権説から導かれる1040条の趣旨だということになります。では、先に、遺留分減殺請求の意思表示がなされ、その後に受贈者が目的物を処分した場合は、形成権=物権説からどのように考えればよいのでしょうか。
 
上述の例でいえば、甲が丙にA土地を生前贈与し、甲の死後に乙が丙に遺留分減殺の意思表示をした後に丙がA土地を丁に譲渡したような場合です。
 
この場合は、遺留分減殺の意思表示によって、贈与の効果は遡及的に奪われることになります。そうなりますと、丙から乙に対して復帰的物権変動が考えられることになります。他方で丙から丁に対して物権変動がありますから、丙から乙への復帰的物権変動と丙から丁への物権変動が対抗関係に立つということになるのです。ですから、遺留分減殺請求後の第三者との関係では、1040条が適用されるのではなくて、177条の問題になるということです。この点を押さえておいてください。
 

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