湊総合法律事務所

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10.遺留分減殺請求権行使後の法律関係

共同相続人の一部に贈与や遺贈がなされ、他の相続人が遺留分減殺請求権を行使した場合、減殺請求権者と受贈者・受遺者との共有関係を生ずるということがあります。
 
このような場合、その共有関係を解消するには、取り戻された財産(持分)は物権法上の共有の問題として、地方裁判所または簡易裁判所での共有物分割請求などの民事訴訟手続によることになるのでしょうか、それとも、遺産に復帰すると考えて、家庭裁判所での遺産分割手続の審判の対象となるのでしょうか。
 
共有持分権を相続人固有の財産と見るのか、未だ遺産分割手続が終了していない相続財産(遺産共有状態)と見るのかという問題です。
通説・判例は、生前贈与、特定遺贈や特定の財産を「相続させる」旨の遺言に対して遺留分減殺請求権を行使して取り戻された財産は、相続財産には復帰せず、遺留分減殺請求権者の固有財産となるので、共同相続の場合であっても、遺産分割の対象とならないと解しています(訴訟説・固有財産説)。遺留分減殺請求権を行使した者は、訴訟手続において、自己に帰属した持分の確認や、この持分に基づく自己への所有権移転登記手続を求めることができると解しているのです。
そして、取り戻したのが個別財産上の持分である場合には、その分割手続は、物権法上の共有物分割手続によることになります。
 
例えば、世話になった第三者甲にこの土地建物を遺贈しますというような特定遺贈、あるいは事業用の特定不動産を後継者である長男乙に「相続させる」旨の遺言がなされていた場合、その物権を取得した第三者甲あるいは長男乙に対して遺留分減殺請求権を行使した場合、遺留分減殺請求権者はその物権そのものを取得することになります。
 
この場合には遺産から離脱していますから、その財産そのものについて共有状態が発生していることになり、物権法上の単なる共有の問題として、地方裁判所または簡易裁判所の共有物分割請求で解決すればよいということになるわけです。
 
では、全部包括遺贈の場合、あるいは全部「相続させる」旨の遺言の場合はどうでしょうか。
この場合には、遺贈の対象となる財産を個々的に掲記する代わりにこれを包括的に表示するもので、その限りで特定遺贈とその性質を異にするものではありません。
ですから、この場合も、特定遺贈が全部まとまったものというように考えて、民事訴訟による共有物分割手続で解決すればよいということになります。
 
これに対して、第三者に遺産の2分の1を遺贈するといった割合的包括遺贈、あるいは長男に相続財産のうち3分の1を相続させるといった割合的「相続させる」旨の遺言、それから、相続分の指定がなされていた場合はどうでしょうか。
 
これらの場合には、減殺財産は、全ての相続財産に対する割合であり、減殺の結果生ずる減殺部分および取り戻し部分もいずれも相続財産全部に対する割合となります。
したがって、減殺部分はいずれも個々の相続財産に対する共有持分ではなく、相続財産全部に対して遺産共有状態になっていることになります。
 
したがって、その分割を共有物分割訴訟に委ねることはできず、この場合には、遺産分割手続(家庭裁判所の審判・調停)が必要ということになります。

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