湊総合法律事務所

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9.価格弁償

特定物の贈与ないし遺贈がなされていた場合、減殺請求の相手方は、現物を返還することに代えて、価額で弁償することも許されています(1041条)。
 
それでは、遺留分減殺請求を受けた受遺者・受贈者が現物返還義務を免れるためには、価額弁償の意思表示だけをすれば足りるのでしょうか。
この点について最判昭和54年7月10日は、受贈者・受遺者は、単に価額弁償すべき意思表示をしただけでは足りず、価額弁償を現実に履行するか、履行の提供をして初めて現物返還義務を免れるとしています。
 
ただ、ここに1つ問題があります。
すなわち、価額弁償は現実に履行するかその提供をしなければならないわけですが、価額弁償の申し出後の判決で定められた額に、価額弁償として申し出ていた額が不足していた場合には、履行の提供とは認められないわけですから、価額弁償の効果が発生せず、現物返還を強いられてしまうおそれがあるのです。
 
しかし、実際問題として、遺留分額算定の基礎財産について情報を得ていないと、弁償者の方は一体、いくら弁償すべきなのか、その額を算定することができないということがあり得ます。
弁償者が自分としてはこの金額だったら価額弁償額として十分だろうと考えて提供したけれど、判決でそれでは足りないと認定されてしまった場合には、現物返還しなければならないというのでは酷な結果となることもあり得ます。
 
では、どのようにすれば、そういった事態を回避することができるのでしょうか。
この場合、弁償者の提供額が過小だったら、提供額を超える価額弁償額が判決によって確定すれば、速やかに支払う意思がある旨を表明しておけばよいのです。
 
こうしておけば、裁判所は、事実審口頭弁論終結時を算定の基準として弁償すべき額を定めた上、受遺者が弁償すべき額の全額を支払わなかったことを条件として、遺留分権利者の目的物返還請求を認容する旨の判決をすることができますので、不都合を回避できることになるわけです。
ご参考まで、主文の具体例を申し上げますと、「被告(弁償者)は、原告(遺留分権利者)に対し、被告が原告に対して民法1041条所定の遺贈の目的の価額の弁償として○○円の支払いをしないときは、別紙物件目録記載の土地の持分○○分の○○について、○年○月○日遺留分減殺を原因とする所有権移転登記をせよ。」というようにすれば良いのです。

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